家づくりを依頼する前に
最近、家づくりを専業とする会社(工務店)以外にも新築やリフォームに参入してくる会社が増えましたね。
不動産屋系、リフォーム業者系、木材屋系、建材屋系、エネルギー関連系が代表的なところでしょうか?
ユーザー側にとって選択肢が増えるのはメリットですが、間違い無くデメリットも存在します。
そこで今回は賢い工事業者の選び方について書いてみます。
まず家は現場で建てる物!
キレイなショールームで美しいCGの完成予想図を魅せられても実際に建たなければ文字通り絵に描いた餅です。
メーカーのモデルハウスは豪華過ぎて現実離れも甚だしいのが現状。
心配なのは、現場経験の無い営業担当者が描いた間取り図を基に建てられた家が数多く存在している事。このような間取りの家は熊本の震災で数多く倒壊しています。
建築基準法に通る家=耐震性能に優れた家・・・ではありません。
建築基準法は「基準」ではなく「最低基準」だと思って下さい。
次に心配なのは数年後には雨が漏りそうな外観や屋根デザインの家。
雨の多い日本ではシンプルな形状の外観デザインが良いですね。
その他、やめた方が賢明な仕様は
屋根の無いバルコニー
バルコニーの防水は経年劣化します。
10年20年の長いスパンで考えるとおすすめしません。
軒の出の少ない屋根
敷地境界の関係でやむを得ない場合もありますけどね。
またデザイナース住宅に多く見られる大開口の大きな窓はカッコイイのですが年々巨大化する台風の強風で物が飛んできたらどうします?
窓に養生テープを貼ってしまってはデザインが台無しです。
設計や現場についても危惧している事があります。営業担当者の描いた間取り図を、設計図に変換した設計者(建築士)やそれを現場で工事した職人達は何の異議も唱えなかったのか?
数年前の耐震偽装の問題でも鉄筋量が異常に少ないのに、設計図に描かれているので、異議を唱えずにその通りに工事した事例がありましたね。
これは、無責任の連鎖が産んだ産物だと思います。
ワタシも他社の設計で工事のみを請け負う事があります。
工事の前の見積の段階で図面を丸写しして描いてみる事から始めます。
疑問点は設計者に質問し改善できる所は改善します。
一応一級建築士ですから(笑)
建築の世界に入ったなら、まず現場に出て自分の手で資材運んでその重さ大きさを体感し、屋根や足場に上がって様々な角度から建物を見て感じる。 踏んではいけない所を踏んで親方に怒鳴られたりしながら(笑)
各部の構造を目で見て考え、休憩時間などに手早く図解付きのメモを描いて覚える事からスタートして、徐々に経験を積んでいくものです。
現場で経験した事は忘れません!そこが座学との最大の違いだと思います。
そんな経験も積んで無い素人みたいな人でも、下請け設計事務所の建築士に「申請が通れば良い」程度の図面を描かせ現場作業については職人をかき集めれば、家を建てる事が出来るのが現状です。
そんな業者に依頼しない為のチェックポイントが5つあります。
1 建設業許可を取得している。これは最低条件です。
2 建築士が常駐している。これも最低条件 建築の法規はコロコロ改正しているので
それらについての知識を持っていないと中間検査や完了検査にスムーズに合格出来ません。 合格出来ないと工期が延び入居が遅れます。
3 大工職人が常駐している。←これは少しハードルが上がります
必要な時だけ外部から下請け大工を雇う会社が多いので・・・
雇われた職人は下請けの請負金額内で完成させる事を要求されます。
なので急いで作業をする傾向があります。
常駐している社員大工なら自社の看板に傷を付ける作業は出来ないと私は思います。
4 10年保証の瑕疵保険に加入している。建設業許可業者ならこれも必須条件です
5 工事保険に加入している。少しハードルが上がりますが、工事中の火災、地震、津波の際の保険に加入した建設業者なら安心です
要するに 自社の設計と施工に責任が持てる体制を整えているかを確かめる。これが、不幸な業者に当たらない為の最低条件です。
広告にコストをかければ立派なホームページやパンフレット、カタログは製作可能です。
数十万円出せば住宅雑誌への掲載も可能です。
立派な宣伝=立派な家が造れる会社ではありません。
そのような媒体に惑わされない事も重要ですね。
思いつくままに書いたので読みにくいブログになりましたが、業者選びの参考にしていただければ幸いです。
画像は中山団地の家のキッチンです。
床下のブ厚い断熱材が余ったので天板の上に並べて養生(傷付き防止)として再利用。
<ホームページはコチラです。 https://kawaikoumuten.ie-yasu.com/