民間リフォーム工事の競争入札の難しさ
数年前の話ですが
普通の民間のリフォーム工事で競争入札を開催するので参加して欲しいとの依頼がありました。公共工事では競争入札が普通に行われますが民間では稀だと思います。
競争入札とは?ザックリ説明しますと・・・
1.設計事務所の描いた図面を元に、数社の工務店が見積を行う。
2.入札書に見積の合計金額を記入する。
3.その入札書を設計事務所に提出する。
4.最安値の工務店が落札する。
5.請負契約を交わす。
こんな感じの流れです。
入札日を決めて、全ての業者を1つの部屋に集め、立ち合い人の見ている中で入札書を提出させてその場で落札者を決める方法もあります。
設計事務所から図面が届いたので内容を見てから参加するかどうか検討しようと思い図面に目を通すと・・・・情報量が少ない事に驚かされます。質疑応答はFAXで受け付けるそうですが、質問をする前に現場を見に行った方が早そうな感じです。
しかし受注できるかどうか分からない家の現場調査に行く時間は私にはありません・・・
屋根裏の構造や電気配線、設備配管など現地で調査しないと分からない事だらけです。
キッチンのレイアウトも雑で、冷蔵庫や食器棚、家電の位置などを考慮されていません
工事が完成して引き渡し後に揉めそうな感じがします。
競争入札に参加する業者、全部で4社。弊社が抜けても問題なさそうなので早めに辞退を決め、設計事務所に図面を返却しました。
その後・・・入札が最安値のA社が落札したとの知らせが、A社と弊社が共通する下請け業者から風の噂
落札後にA社の見積に不備がある事が発覚し、2番目に安いB社に変更されたとかしないとか・・・またもや風の噂
安い価格で工事をする場合公共工事のように競争入札するのは良い方法かもしれません
しかし、その為には公平に見積する為に詳細まで描かれた図面が必要になります。
当然、設計料も高騰します。
壊さなければ分からない部分もありますので、その場合の費用負担、責任の所在等も設計者、施工者、依頼主で決めておかなければならないなど・・・
結論として言える事は、民間工事での競争入札は難しい上に多くのリスクを伴い金銭的、精神的疲労も多いかもしれません。
県や市の公共工事での入札でも、最近は入札辞退が多く見受けられます。
受注できるか分からない工事の見積作業をする時間が取れません・・・
その時間があれば特命で依頼してくださるクライアント様の為に時間を使いたいですね。
入札を行う事で安くなるのか?
安くなると思いますが・・・各工務店はメーカーや商社から資材を仕入れ職人は自社で雇用したり外部から雇ったりで人件費や福利厚生の費用も発生します。
過去の経験から言わせてもらうとそんなに大きな差は出ない感じです。
工事費用が安くなっても設計費用は上昇しますのであまりメリットを感じられません。
私はリフォームの場合、不測の事態を予想して少し高めの見積をします。
最終的に予算に余裕が出れば、追加変更した分に回したりサービス工事をしたり引き渡し時に値引きしたりでクライアント様が損をしないカタチで還元しています。
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